TOEIC S&Wについて、Writingの具体的な問題、前回の続きを見ていきたいと思います。

今回はWritingの意見記述問題の対策について考えていきたいと思います。

Write an opinion essay 意見を記述する問題

概要

意見記述問題はQuestion8で1問、提示されたテーマについて、自分の意見を理由あるいは例とともに記述する問題です。

1つの問題を30分で解答します。

評価対象は「理由や例を挙げて意見を述べているか、文法、語彙、構成」です

そして、採点スケールは0~5と高いです。この意見記述問題がライティング配点の60%以上を占めているという話もあります。

TOEIC公式サイトによると「テーマを正しく理解し、自分の意見や立場(賛成・反対)を明らかにできるか、その理由を例や説明を添えて論理的に分かりやすく記述できるかがポイントです。多様な構文や語句を使って、300語以上書くこと」とのこと。

やってみた!

大里さんのTOEIC S&W本のLesson 9(意見記述問題)とTOEIC公式サイトのサンプル問題をやってみました。

LINKTOEIC® Speaking & Writing Tests Sample

 

30分あれば時間は足りると思います。

ただ、30分で300語以上を書くことは、思いのほか難しいです。

事前準備なしに急に300語書け!といわれると結構ハードです。細かい文法で迷ったり、スペルで迷ったりしていると時間はあっという間に過ぎてしまいます。

個人的には、まずざーっと書いてしまい、自信がないところを余った時間で見直す方法がいいように思います。

なお、サンプル問題には下記のアドバイスが書いてありますので参考にしてください。

アドバイス

このような状況では、自分の意見をはっきりと決めることが大切です。書き始める前に、意見やその論拠を、頭の中でまとめてから書くといいでしょう。

自分の意見は冒頭に書く、という決まりはありませんが、考えをはっきりと読み手に印象付ける必要があるときは、文章の始めに書くと効果的です。また、接続詞などのつなぎ言葉を上手に使って、自分の意見の裏づけとなる理由や例をあげていくと、読みやすい文章になりますよ。

TOEIC サンプル問題 解答より

対策

エッセイには型があるのでそれをまず押さえましょう。

あとは、前回同様に文法、スペルの凡ミスは避けて、確実な文法を使うようにしましょう。

そして、TOEICアドバイスにもあるようにエッセイでは接続詞はけっこう重要です。「多様な構文や語句を使って、300語以上書くこと」と記載されていることからも、うまく接続詞を使いこなせば加点対象になるでしょう。

では、簡単な英文エッセイの書き方をご紹介します。

英文エッセイの書き方

英文エッセイには型があります。例えば、大学等で英文エッセイを書く際に、型を無視して好き勝手書くと減点されると言われています。

SWのスケール5の模範解答を見る限り,細かいルールにはこだわっていないようですが、大まかな流れとしてはエッセイのルールに従っていますので、SW対策においてもざっくりは流れを把握しておく必要があります。

ざっくり言うと下記のような流れで書いていきます。

英文エッセイの書き方
①Introduction(導入)
②Body(主張)
③Conclusion(結論)

解説

エッセイでは自分の主張したいことをサポートするための文章を書いていくことになります。余計なことは書く必要はありません。蛇足不要です。構成としては、イントロ→ボディ→結論の順で書きます。

①イントロ Introduction

一般的な考え方や選択肢を示し、そういった状況の中で私はこのように考えると主張します。(その理由はボディで展開しますので、結論だけをイントロで書きます。)ここで展開される主張のことをThesis statement(主題文)と言います。

このThesis statementをうまく書くことができるかどうかが、エッセイにおいては非常に重要です。この導入部分がきれいに決まれば、ボディ部分でこれをサポートする文章をスラスラ書くことができます。

イントロの構成は、大きい論点から段々、小さい論点に落とし込んでいくのが一般的で、専門的な内容を書く場合はここで定義づけも行っていきますが、SWではそこまで複雑なエッセイを書きませんので、そこまで気にしなくてよいでしょう。

イントロは書きすぎないことが鉄則で3センテンス程度で十分です。

世の中には、いろいろな乗り物があります。代表的なものは車や、電車、飛行機です。私は、交通手段としては電車が優れていると考えています。理由は2つあります。

②ボディ Body

イントロのThesis statementを詳しく書く+主張をサポートする内容を書いていきます。

ここは例えば、その事象の具体例や特徴、性格等を書いていく事になります。

ボディでは、"First, ~"で1パラグラフ(段落)を展開。"Second, ~"や"Next, ~"で2パラグラフ目を展開していく方法が書きやすいです。

SWでは2~3パラグラフのボディを書けば十分でしょう。

まず交通手段に必要な条件として、時間通りに目的地に着くことが大事だと考えます。日本において、電車は時間通りに運航されており、この点、車や飛行機よりも電車が優れていると考えられます。
 次に、費用の問題があります。電車は一回当たりの費用が非常に安いですが、一方で車はまず買わないといけないので、多くのお金が必要になります。飛行機も電車よりも価格が高くなるケースが多く、コストの面でも電車が優れていると言えます。
③結論 Conclusion
ここでは、Restatement、Brief summary、Final statementを展開します。
Restatementはイントロの書き換えです。Thesis statementを違う書き方で再度提示します。
Brief summaryはボディの要約、Final statementでは最後に自分の意見を提示します。このあたりは明確には別れていなくて、一つのセンテンスでまとめて書いてしまうことも多いです。
ここは①と②で書いた内容をまとめていくようなイメージで、ここで新しい主張を突然出したりはしません。基本的には予定調和的に終わることが多いです。
交通手段は色々あり、その目的によって使い分けることができます。しかし、時間の正確性やコスト面を考慮すると電車が優れた交通手段と言えるでしょう。

 

その他のポイント

①自分の主張はウソでもいい!

まずは、SWで与えられるテーマで、自分の主張どのように展開するか決めてしまいましょう。

オススメはとにかく書きやすいものを選ぶこと。自分の思っていないことを書いても全く問題ありません。

サンプル問題では、「仕事を探す方法でベストな方法はなんですか?」という問題です。転職経験がある人は、利用した方法を書けば、自分の経験を活かすことができて書きやすいでしょうし、経験がない人でも一番イメージしやすい方法で書きましょう。

無理に凝った答えを作る必要はありません。SWでは、解答自体が凝った内容かどうかは大きなポイントではないと思われます。シンプルにいきましょう!

②良いThesis statementの特徴(導入)

・Thesis statementを読むことで、どういう議論がなされるか予想できる。

・より具体的に書く。

✖お茶はおいしい!

緑茶は多くの効用がある!

・ただし、具体的に書きすぎてもダメ。

✖緑茶には、カテキン、アミノ酸、ビタミン、カフェインが含まれており、抗酸化作用、抗がん作用、抗菌作用、抗ウイルス作用等の効能がある!

→詳細な話はイントロではなく、ボディで展開しましょう!

③パラグラフ(段落)の基本

・パラグラフ内のセンテンス(文)はひとつのトピックをサポートするために書く。違うトピックになれば、違うパラグラフにして書く。

・同じトピックなのに、違うパラグラフにしない。(日本人にありがちなミスです。日本語の作文はけっこう段落替えをしがちですが、英文エッセイでは、トピックが変わるまでは段落を変えません。)

・パラグラフの1行目はインデントを空ける(行頭を一マス空ける。)。

・各パラグラフの最終行は、Thesis statementをサポートするような内容にする。

④エッセイを書き始める前にやること

いきなり書き始めるよりも、まずは全体的な構成を考えましょう。

ブレインストーミング→アイディアの整理→結論の形成までを5分程度かけてから書き始めると、首尾一貫したエッセイが書きやすいでしょう。

⑤接続詞での注意点

SWではそこまで気にしないでも良いかもしれませんが、"and","but"はエッセイ等の正式文では文頭に置いてはいけません。

"I like it. But he doesn't."はダメなんです。この場合、コンマでつないで"I like it, but he doesn't."か、Howeverを使ったりしましょう。なお、この"doesn't"もダメです。省略形ではなく"does not"を使います。

ただ、スケール5のサンプル解答では普通にdon't使ってますので、SWでは減点対象ではないかもしれません。

エッセイは型を覚えて、構成を考えてから書き始めよう!

エッセイは形式を覚えてしまいましょう!

そして、本文はいきなり書き始めるのではなく、ある程度どういう風に書くか考えてから書き始めるのが良いでしょう。

一度もエッセイの練習をすることなく受験した場合、惨敗する可能性は高いと思いますので、最低でも1回は30分の時間を図って練習しておきましょう。

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