USCPA予備校の選び方は、値段、講師、日本語ベース等いろいろありますが、各校が提携しているアメリカの予備校、教材の実力も気になるところです。

そこで、各校の提携先、そして本国アメリカでの評価について調べてみました。

各予備校の提携先

代表的な予備校の提携先は以下のようになっています。

それぞれ、提携先が分かれているんですね。

    • Abitus → オリジナル教材
    • TAC → Becker
    • ProActive → Wiley
    • 大原 → Roger

各教材の口コミ

アメリカのサイトから口コミを集めていますが、海外ではテキストだけではなくて、授業内容に関する口コミが多いです。なお、Pass rateやテキスト、問題集の評価と言うよりも、授業を含めたコースをベースにしていますので、これがそのまま日本の予備校に当てはまるわけではありませんし、日本の予備校はすべての問題をピックアップしていない可能性もありますので、あくまで参考程度と思っておいてください。

Becker

概略

ネットの口コミによると、BIG4などの会計事務所から推奨を受けており、2005年から2016年までの成績優秀者(平均点95.5%以上の合格者)の90%以上がBecker使用者でした。

60年近くの歴史ある予備校で、CPA予備校の先駆けのような存在です。教室形式のコースもあり、米国最大級の規模を持ちます。

収録問題数はMCQは7,200以上、TBSは400近くあり、業界平均を上回ります。

Beckerによると、合格率は他校の倍だそうですが、他校も概ね90%ぐらいを示していますので、おそらく過大広告か、他校がほとんどなかったころの話ではないでしょうか。

口コミ

複数のネットを見ているとだいたい口コミはこんな感じです。

1位:値段が高すぎる・有効期間が短い(18ヵ月)

2位:授業が退屈

3位:問題の正解、不正解の理由がしっかり示されている。

他の教材と比べて「高い!」という口コミが多い一方で、内容・解説がしっかりしている、カバー範囲が広く、Big4と提携しているため大手のスタッフが多く利用しているようです。ただ、授業時間が長く、学生向きとの口コミも散見されます。

そして、値段が高いのがそのままTACの高さにつながっているのでしょうか。アメリカでは3,987ドルと他校よりも1.5倍近く高いです。

また、TACのパンフレットを見ていると、BECKER演習ソフトの利用期間は18ヵ月とアメリカと同じですので、このデメリットは日本人に影響していますね。

一方で解説がしっかりしているのは、日本人学習者にとってはいいですね。やはり、不明点を不明なまま暗記しても意味がありません。どうしてこの答えになるのかを知るという事が最も大事です。

問題のサンプルがTACから出ていますので、一度見てみることをオススメします。

正誤の理由がしっかり記載されており、ProActive学習者(解説がいまいち)である私にとっては非常に羨ましい内容になっています。

TAC サンプル実践トレーニング集

TACのパンフレットによると、収録問題数はMCQ6,300問、TBSで340問とありますので、TAC生はおそらくBeckerの全ての問題にアクセス可能だと思われます。

なお、授業が退屈なのかは、日本の予備校利用者には関係ないところですが、雰囲気を知るためにデモ動画を張っておきます。

まとめ

値段の高さ、有効期間を除けば、満足度は高そうです。

歴史も長く、蓄積されたノウハウ、問題数の多さ、解説の手厚さに悪い口コミは見られませんでした。

RogerやWileyと両方使った人たちの口コミでは「一番詳しく書かれているのはBecker」とも書かれています。

あたりまえではありますが、信用できる教材です。

最大のデメリットは18ヵ月という期間でしょう。長期戦を考えている人には向かないです。有効期間が過ぎてしまった!という口コミも多数あります。

特に、いまはトランプ税制等で制度変更が多いので、再勉強により、長期戦にならざるを得ない可能性もあるので、十分に勉強計画を立ててから決めるのがいいでしょう。

Wiley

概略

Wileyによると2004年からWiley CPAexcelの利用者の合格率を測定した結果、コース修了者の10人中9人が合格しています。

収録問題数が多いのが特徴で、MCQは12,000、TBSは500問あり、業界最大級と言われています。

一方で、授業や問題解説は短めとなっています。

価格も安く、有効期限はなく、合格するまでいつまでも使えるというメリットがあります。

口コミ

複数のネットを見ているとだいたい口コミはこんな感じです。

1位:授業時間が短く、忙しい人向き

2位:問題数が多い(よくも悪くも)

3位:有効期間が合格まで続くし、安い

他に気になる口コミとしては、他校に比べると解説が簡潔な傾向があるとか、問題文の文法が意味不明、解答が間違えているというものもありました。

ただ、総合的には人気の高いイメージです。問題数が多いのと授業時間が短いため、働きながら勉強ができること、有効期限が長いこと、価格が安いこと(2,800ドル)が人気の要因です。

ProActiveの有効期間が5年と長いこと、授業料が安いのは、Wileyの影響でしょうか。

問題数に関しては、ProActiveは全問を公開しているわけではなく、MCQ約6,000問、TBS約100問をデータベースに収録しているようですので、すべてのメリットを享受できるわけではありません。

ProActiveの問題解説はWileyの解説をベースにしていると思われるのですが、残念ながら口頭解説なのでWileyの解説を見ることはできません。(なお、「これはAだな。だからA。」といった残念な解説が散見されるものProActiveの特徴です。Wileyの解説さえ見れれば、この大きな問題はクリアされるのですが。。。)

私がWileyの問題を使った感想としては、問題意図を問題文から掴めないケースがあったり、明らかに答えが間違えているときがあるので、不満はけっこうありました。特にProActiveの口頭解説と相性が悪いと思います。文章での解説がしっかりあれば、そこから文意を読み取れるのですが。

とはいえ、大半の問題は正しいですし、ちゃんと解けば問題なく合格水準にはいけるので、Wileyの問題点についてそこまで気にしなくてもいいのかもしれません。

サンプルリンクも貼っておきますので、一度見てみてください。

サンプル問題

Wiley FAR Sample CPA Exam Questions

講義参考動画

まとめ

問題数が多い、有効期限が無期限、安いという特徴以外は特段特記すべきこともなさそうです。

内容は良くも悪くも普通ですが、正直言って12,000問も解く必要性はないでしょうから、問題数の多さは受験者にとってはむしろ時間のロスにつながるような気がします。本来はある程度重要なものに絞って問題を出すべきで、12,000問解くより4,000問を完璧にする方が試験合格への近道です。

ProActiveは6,000問収録と言っているので、問題数の多さに惹かれている人は注意が必要ですが、個人的にはある程度絞ってくれているほうがありがたいので、問題数としてはこんなものでいいのではないでしょうか。似たような問題も多いですし。

Roger

概略

2001年設立の学校で、名物はRogerさん本人によるパワフルな講義です。

合格率はHPによると91%。

収録問題数は、MCQは5,800問、TBSは400問あり、他校に比べると少なめです。

価格はWileyよりも高いものの、テキストは詳しくできており、また、ニーモニック(語呂合わせ)が多く含まれていたり、テクニック面でも充実しているようです。コースによりますが、Wiley同様に有効期限は無期限です。

口コミ

1位:Roger先生の講義は面白い、情熱的、飽きない。

2位:テキストに図や表、ニーモニックが多く含まれており分かりやすい。

3位:質が高く、重要な問題に絞られており、解説も丁寧

1位の口コミ、飽きない、もっともエンターテインメント性があるという口コミが大半です。もともとどこかの予備校での人気講師が独立して学校を始めたようで、人気実力ともに兼ね備えた講師のようですね。

大原では、この講義も見れるようですので英語ベースでやりたい人は見てみてもいいのかもしれません。字幕も付いているようです。

youtubeにもあるようなので、参考に。英語の授業なのであまり使わないような気もしますが、口コミを見てるとかなり興味がわいてきました(笑)。ProActiveの佐々木先生的な名物講師なのでしょうか。

MCQのサンプルも見たかったのですが、見つけられなかったので大原のパンフレットのリンクを貼っておきます。

この中で少しだけ見れます。

大原 U.S.CPA(米国公認会計士)講座

大原ではUSCPA講座は2020年3月まで受講可能とありますので、だいたい有効期限は1年半ぐらいですね。ちょっと短いですね。

また、大原では5,000問以上の問題が解けると書いてありますので、Rogerの問題はすべて解けると思っておいて問題ないでしょう。

まとめ

講師がユニーク(大原で動画も見れる)というのは魅力的ですね。

正直、レビューを読んでいて一番気になったのはRogerです。

値段も安め(2,999ドル)、有効期限も無期限、問題数も絞られていて、解説もしっかりしているというのも魅力的です。

ただ、大原では有効期間が短めなのがネックですね。

結論

結論から言えば、身も蓋もないですが、どのコースでも合格している人はいるので、どの教材も合格水準に十分届くレベルということでしょう。

注意が必要なのは、日本の予備校で提携しているからと言って、その予備校で全ての教材にアクセスできるわけではないこと、あとは問題数が多いのが必ずしもいいとは言えないこと。

よく考えて自分の勉強スタイルを決めましょう。

各校が出すサンプル、特に頻繁に見ることになるMCQの問題と解説はどういう感じかを確かめておくべきです。この解説が甘いところを選ぶと、問題の疑問点が潰しきれないままなんとなく勉強を進めてしまうと身につきませんので、十分注意しましょう。

しかし、アメリカの予備校は普通の教材以外も、自分の進捗管理ができるダッシュボード、スマホアプリや、自分の解いた問題をベースに試験に合格できる水準にあるか判定してくれるシステムとかすごい充実しています。値段も日本と比べれば安いですし、機能もいいし、うらやましい。。。使ってみたいです。。。

おすすめの記事